インタビュー

「精巧」な技術と「清光」が似合う世界観! シルバーアクセサリー作家さんインタビュー(前編)

「古い煉瓦作りの街に住む”一匹の黒猫”がフラフラ散歩している時に目にしたモノ」を形にしている、シルバーブランド「etoile des neiges(エトワール ディ ネイジュ)」の千巾 白糸(チハバ シライト)さん!

作品を身につける側が感じる「懐かしさ」や「幸福感」「安心感」は、千巾 白糸さんの作品により個々の想像を映し出し、自分だけの作品になっていくはずです。

インタビューを見て、etoile des neigesさんの精巧な世界を体感してください!



etoile des neigesさんの詳細は下記SNS、サイトにて是非チェックしてみてください!

Twitter:@vain4413
Instagram:etoile_des_neiges_laboratory
Creema:コチラ!

<インタビュー>スタート!

製作されている作品について、簡単にご紹介をお願い致します。

ednさんロゴ
作品自体は黒猫が見た世界の「瞬間」を切り取り、アクセサリーにしています。色々な作品があるのですが、一番こだわっている点は素材ではないんです。想いが届けば落としこむ素材は、特定のものではなくていいと思っているので。

黒猫が見た世界とは、ご自身が見たことある景色と重ねているんですか?

微妙な回答になるのですが、半分半分といったところでしょうか。厳密には、私が想像している黒猫が見た視界を想像して情景を見ている時です

黒猫の視界というのは、日々の中で視界に入ってはいたけれど、人の意識に残っていない部分を表現しています。そんな場面を探して街に出ることがあります。

家や橋、街灯など、町並みを切り取った作品が印象的ですが、のような思いが込められているのでしょうか?

「帰る場所」としてコンセプトにしています。物理的に帰る場所かもしれないし、心理的に帰る場所かもしれないんですけど…。

深い話にはなりますが、人が嬉しかったり悲しかったりする感情と「ハッピーになりたい」「いい気持ちになりたい」という想いを構成しているのは、”これまでに自身が経験した物事の中にある”と考えています。


代表作として挙げられている”自分の家リング”この作品にには特別な思いがあるのでしょうか?

自分の家リング

どこかにいくとか、なにかができるとか、頑張れるとか、人それぞれだと思うんですが。前提として、そこが安定してから、恋愛だったり仕事だったり、やりたいことができると思うんです。

そして、そのベースになる場所って帰る場所だなって思った時に生まれたのがこの”自分家リング”なんです。

なるほど、この街の物語の始まりでもあり、帰る場所なんですね。

他の作品だと橋っていうのは、何かを超えていく象徴で。また、街灯というのは夜真っ暗闇の中歩いていて、ポツンと街灯がみえたときの安心感を表現しています。

夜をイメージされている作品が多い印象を受けたのですが、その点に関してはいかがでしょうか?

そうですね、作品のほとんどが深夜か早朝をイメージしています。深夜と早朝って1人の時間なので。

1人の時間と言うことは猫も1匹で行動している感じですか?

はい、1匹ですね!

このようなモチーフの為に実際に街を散策したりされますか?

 散策はしますが、作品におこしているのは全く別の国ですね。

別の国とは、行かれたこがある国なのでしょうか?

ないです。…と言うより、寒い海沿い・レンガ造りの少し寂しげな街で、石畳の通りになっているという国は「自分の中にある街」ですね。実際には行かずに想いを乗せているからこそ、ずっと「想いのまま」を形にできると考えています。



なんか、綺麗に寂しい感じが好きなんですよ。人がいるところはあまり想像してなくて…。私は、人と話してる時は発表会だと思っているんです。人が何かを吸収できるのは、1人の時間だと思っていて、逆に人と会って話すことは放出とか気づきになると。

人と会うときは、自分の立場や経験によって役目が変わってきますが、1人でいる時はそういうことが無いから…1人でいるときのそこを超えないと、いいものを生み出せないのかなって思います。

なんか…とても感動しました!

いえいえ。(笑)

ここからは始めたきっかけや、製作についてなどお聞きしたいと思います。

製作を始めたきっかけを教えてください。

15年ほど前のオリンピックをきっかけに、3ヶ月くらい海外で生活したことがあって街並・生活の違い面白いなって感じて…自分の街を何か形に表現したいと思うようになりました。

では、どうしてもシルバーアクセサリーに固執しているわけではなく、自分を表現するための一つの手段としてということでしょうか?

そうですね、シルバーが好きというより、地元愛と思い出でしょうか。地元が九州でして、「クロムハーツ」っていうシルバーブランドを見るために、九州から友人数名と車で旅をしながら東京まで来て、新宿とか散策して楽しかった思い出が何度も頭をよぎってきて、「じゃあシルバーにしようか」って。大した理由ではないのですが。

地元愛というか、私に深く関わって下さっている全ての方々が、私にとって居場所であり地元です。

もともと何か作ることは、好きだったんですか?

全然です。絵とかを描くようになったのは、2000年位からですね。

絵も描かれるんですね!

そうですね、作品の下絵みたいなものですが。彫金とかは、全くやったことないジャンルだったので…。

彫金はどこかで習ったりしたんですか?

ほぼ独学です。ただ、図書館の本とかは見ているので全てが独学という訳ではないですが…どこかで習ったりとかはしていないですね。



ednさんの作品は繊細なものが多いと思いますが、どのように製作しているのでしょうか?

製法はロストワックス製法(※)で作っています。元々は地金を削って作っていたので、ロストワックス製法自体は、始めてまだ6年くらいですね。また、作業に必要な道具は自分で作ったりもしています。
※【ロストワックス製法とは】
1.ワックス(ロウのこと)を削って原型を作る
2.原型の周りを鋳砂などで固める
3.ワックスを溶かして空洞を作る
4.鋳型の空洞に溶けた金属を流し込む
(MONOWEBさんから引用)

1日何時間も集中して製作されるんですか?

そうですね。原型を作るのがとても大変です。正直嫌になるときもありますが、やっぱり楽しい瞬間でもありますね。

気持ちが乗っているときは遺跡を発掘してる感覚でできますし、リアルに浮かんでるものを形にするみたいな…。1回型ができてしまえば、それ以降はそこまで大変ではないです。

Creemaのお写真で、水色のもの…あれは、何で作っているんですか?

あれはレジンです。
湖面を突き通った流れ星-水色レジン

夜光るっていうのがすごい好きで、レジンの中に蓄光を入れているんです。



最近は花も好きになって、これはぺんぺん草です。花言葉が、全てをかけるって男前な感じだったので。

ペンペン草の作品
ペンペン草の作品

どの作品にもednさんにしか作れない世界観があると感じたのですが、製作において工夫されている点はありますか?

想像している街並みと似た所を調べるのではなく、自分の頭にある街の絵をいっぱい描いているんですよ。
自分の中で結構リアルに街ができているので、作るものに困ったりはしないですね。

好きな何かを考えるのってとても労力がかかってしまうので、それを避けたくて…すごくリアルに街を想像して、その中の日常を形にする感じです。

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Twitter:@vain4413
Instagram:etoile_des_neiges_laboratory
Creema:コチラ!

インタビュアー/のあ・imacoro
文/imacoro