インタビュー

鳥モチーフの表札が人気! スペインタイル作家、Serenoさんインタビュー(前編)

スペインタイルとマヨリカ焼きの絵付け工房、Sereno(セレーノ)さんへインタビューを行いました。

工房名の「Sereno」は、イタリア語で「すがすがしい、澄み切った、空の青さ…」などの意味を持っているそうです。

伝統的なスペインタイルやマヨリカ焼きの技法を用いて、注文後ひとつひとつ丁寧に制作しているSerenoさん。

工房は、さいたま市浦和区にあり、タイルの絵付け体験も受け付けています。(体験の記事は、後日UPしますので、楽しみにしてください!)



それでは、早速インタビューに行ってみましょう!

スペインタイルを始めたきっかけ

スペインを始めとするヨーロッパ旅行で、イスラムの影響を受けたタイルを見て、その鮮やかさと模様の綺麗さに「素敵だなあ!」と思い、強く印象に残りました。

日本ではスペインのようなタイルは日常にありませんよね。タイルというと洗面所や浴室のイメージ。

そんなことでタイルやその絵付けに興味を持ったのですが、インターネットのない時代だったので、図書館や書店で本を探しても素人向けの資料はあまりなかったです。当時はタイルを扱っている企業(浴室やキッチンなど住宅設備のメーカー)にでも入らないと、どのようにタイルが作られているかわからないなという感じでした。

唯一見つけた本がこれです。(イベリアのきらめき マジョリカタイル-LIXIL出版

この本くらいしか一般人向けにはないなという感じでした。(写真と解説があるような、プロ向けではないタイルについての本)

心の片隅に(タイルへの想いを)置いたまま、ずっと他の仕事をしていました。

ネット社会になり、どなたかのブログで偶然「スペインタイルの教室に通った」という情報を見つけ、今は教えてくれるところがあるのだと知りました。どうせやるならそこの講師認定が取れるところまでやろうと決め、1年間をその期間にあてました。

そのためにフルタイムの仕事を辞め、毎日集中して「スペインタイルアート工房」へ通いました。そして講師認定を頂き、それから窯の購入、自分のオリジナル作品作り、HPの立ち上げなど濃い1年間を過ごしました。そしてまたフルタイムの仕事へ戻りました。


タイルをやっている他の方と比較した時のSerenoさんの特長

他の方との違いをどうやって出そうかなと思ったときに、「鳥」をやってみたらどうだろうと。

大きい動物をタイルの中に入れ込むとなると、シルエットでの表現になったりしますが、鳥は細部まで表現するのにサイズがとても合っています。

自分も鳥が好きというのもあるのですが、愛鳥家の方がHPを見て下さり注文されるのが多いですね。基本的に受注生産でやっています。

お客様との印象に残っているエピソード

お問い合わせをいただいた後、メールでやりとりします。鳥の場合は写真を送っていただき、下絵イラストを描いてOKをもらったらタイル絵付け制作に入ります。そして完成した作品の写真をメールで送り、完成作品をお送りするのですが、とても喜んでいただいています。

愛鳥家さんの場合、モデルの愛鳥さんの写真をもとに作るので “世界にひとつだけ”のタイルになります。感激してお手紙をくださったり、留守電に「届きました!すっごい可愛いです!」とメッセージが入っていたり。お客様の喜んでいる様子が伝わってきて、こちらもとても嬉しいです。

赤ちゃん誕生のバースデープレートも記念になるということで、喜んでいただいています。

オーダーメイドならではの苦労とかございますか

皆さん愛鳥さんの写真を送ってくださるのですが、その個体差というか…。鳥は種類も多いですし色も様々ですので、その子の特徴をできるだけ出すことに苦労しています。


Serenoさん自身も鳥がお好きなんですか

はい、うちにはブルーのセキセイインコがいます。自分も鳥好きだというのもありますが、脚はどうなっているかなど実物を見て確認するためもあります。

どちらかというとリアルに鳥を描いているので、基本的には実物のスケッチや写真を見て調べたりして制作しています。

描いたことのない鳥を注文されることもあります。その時はペットショップや動物園に行き、どういった特徴があるのかなど観察します。

左:サザナミインコ

これは、サザナミインコという前傾姿勢をとることの多い鳥です。また色味も難しかったので試行錯誤しました。

タイルは色見本があるのですが、どんな感じに仕上がるかは焼成してみないとわからないところもあるので、そこが面白くもあり難しくもあります。

だいたい一つ作るのにどのくらいの期間かかるんですか

例として鳥の表札の場合、先ほどと重複しますが、鳥を知らないと下調べに時間が取られます。タイルの中にどう収めるかデザインして文字の配置、色彩計画、お客様とのメールのやり取りなど、更に1度焼いた後に、修正のために再度焼成します。

1回の焼成時間は約9時間です。割れてしまうのですぐに窯は開けられませんので冷ますのに1日くらいかかります。

などなど待ち時間も含めてトータル2ヶ月くらい頂いています。これは平日はフルタイムで別の仕事をしているために、土日の取れる時間を制作にあてている状況での2ヶ月ということです。



タイル絵付け体験をしてみたい方、大歓迎です。HPの問い合わせやメール(ceramica-sereno@memoad.jp)でご連絡ください。


Serenoさんインタビュー(前編)はここまでです! 後編記事とタイルの絵付け体験レポートもお楽しみに〜!

そして、Serenoさんの更なる情報は下記をご参考にしてください!

SNS・サイト情報

・HP:コチラ

・インスタグラム:yksereno

・ツイッター:@Sereno77129627


文/imacoro
インタビュアー/imacoro・のあ